発達障害の子供に勉強を教えても理解してくれない‥
こんなふうに悩んでいる家庭は多いもので、私もNPO法人で接しているときに困ってしまう場面もよくあります。
そこで少しでも発達障害の中学生が勉強を理解できるように、おすすめの教材を3つピックアップしてみましたのでぜひ参考にしてみてください。
あとのほうで私が今までに経験してきた中から、発達障害の子供が勉強を理解しない原因と対策方法についてお伝えしています。
中学生の学習塾選び方の一環としてお考えになってみてください。
発達障害の中学生に勉強を理解させる3つのおすすめ教材
いずれの教材も発達障害の子供へ向けた勉強教材で、実際に使ってみてなかなか良かったのでぜひ試してみて欲しいものです。
どれも5教科が揃っているシリーズものですので、掲載している教科以外にもありますのでご覧になってみてください。
勉強を理解しない発達障害の中学生におすすめ①読み書きにつまずく子への国語教材集
特別支援教育をサポートする側に向けた教材で、この国語では読み書き障害の中学生へむけてすぐに使える国語教材集です。
この本に掲載されている教材をそのままコピーしても使えますし、また付属になっているCD-ROMからも印刷すればボリュームのあるテキストで勉強をさせることができます。
そのまま使える教材だけでも409あり、指導をするときのアイデアも収録されているので家庭学習で親が悩むことも少なくなるはずです。
学習の基礎となる11の能力に応じた教材が入っており、それぞれ33の項目に分類されていますので細かな教え方が期待できる教材です。
勉強を理解しない発達障害の中学生におすすめ②トレーニングBOOK
この教材もシリーズもので、5教科というよりも発達障害の特性に合わせて取り組めるようになっているのが特長です。
空間図形が苦手な子供向けになったものや、視覚的に理解することが難しい場合のものなど、教科とリンクさせながら勉強をしていく事が出来るようになっています。
たとえば画像の「点つなぎ」という教材であれば、形と空間を捉える力を養うことのできるトレーニングが行えます。
勉強を理解しない発達障害の中学生におすすめ③コグトレ
認知機能の弱さから勉強が伸び悩んでいる場合におすすめの教材です。
髪とsんぴつを使って勉強のできる教材で、認知機能の6要素(記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断)に対応する力をつけるトレーニングが収録されています。
中学生の学習支援はもちろん、高次脳機能障害などといった認知機能に対するリハビリテーションにも使えるのが特徴です。
子供が直接的に勉強をするような教材ではありませんが、家庭でできるトレーニング方法が収録されていますので毎日の勉強に役立てることができるはずです。
発達障害の子供に勉強を理解させるポイント
発達障害の中学生が勉強を理解しないのは、つぎの3つの理由があります。
メモ
- まず子供が勉強に興味を持てないため集中力に欠ける
- 目に見えたものでしか判断することができない
- 1+1=11といったように加減乗除の理屈を考えることができない
発達障害の子供に勉強を教えていると、こんな3つのことが原因で理解してくれません。
まずは勉強そのものに興味を持たせる、ということが重要なんですね。
ではそれぞれのポイントについてお伝えしていきます。
①まず子供が勉強に興味を持てないため集中力に欠ける
発達障害の特性として、まず「興味を持たないものには見向きもしない」というものがあります。
この特性はADHD・LD・ASDいずれの発達障害にも共通するもので、
いくら勉強をしなさい!と言ってみてもまったく興味を向けることはありません。
では、勉強に興味を持たせるにはどうすればいいか?
これについては、勉強ではなく「子供の好きなもの」に焦点を当てるしかありません。
たとえばマンガやアニメなど、一般的に興味が持てるものを中心にしてみるといいです。
私の経験からすると、文字ばかりの教材にはまったく見向きもしません。
勉強だから、といってみてもムダです。
うまくマンガやアニメなどが取り入れられているもの、そんな教材を選ぶことがまず先決です。
<参考記事>
②目に見えたものでしか判断することができない
発達障害の子供は、目に見えるものしか理解できない場合が多いです。
つまり頭の中で咀嚼して判断する、ということが苦手なんですね。
たとえば空間図形を例に挙げてみると、
平面と立体の区別がつかない、という子供が多いはずです。
家庭では、いくら「この形が伸びると立体になるんだよ」と教えたところでムリだと思います。
つまり発達障害の子供には、平面と立体は「別のもの」なんですね。
それぞれの図形に共通点を見追い出すことができないんです。
親のほうも「何でわからないの?」と思ってしまう部分でもあるわけです。
この部分を理解させるためにもっとも重要となるのが、
「平面が立体へと変化していく様子」
を示しながら、時間をかけて地道に説明していくことが大切です。
すぐには理解してくれないはずですので、ゆっくりでもいいので少しずつ理解させていきます。
するとだんだんと「四角が同じ」といったように、どこかに共通点を見つけ始めるようになってきます。
まずどこか1つ共通点を見つけることができたら、それを横展開すると理解が早いはずです。
つまり「違う形のもので、同じ共通点を探させる」というわけです。
平面から立体へと変化する様子は、トランプを積み重ねるなどが有効な方法です。
初めは平面の四角いトランプ➝積み重なると四角柱になるよ!
という具合に、形が少しずつ変化することで理解してくれるようになっていきます。
このトランプの理屈を用いて、ほかの形にも挑戦してみてください。
使うものは家にあるものを駆使しながら、偏面から立体へと変化するものを探します。
地道な方法ですが、とくに発達障害の子供が苦手とする空間図形には有効な勉強方法です。
目で見えたものしか理解しない、というのはそういうことです。
お互いの「共通点やつながり」を発見させることで、少しずつ頭の中で咀嚼することができるようになっていきます。
<参考記事>
③1+1=11といったように加減乗除の理屈を考えることができない
発達障害の子供が理解できない勉強のひとつに、この「物が増える・減る」があります。
1+1=11になってしまうように、「1」が並んだから11なんだという理屈です。
これを理解させるのも苦労しますよね。
たとえば1円玉を使って理解させてみるのもいいです。
1円玉を横に並べると、子供の答えは「11円」になるはずです。
では今度は1円玉を重ねてみてください。
そして子供がどんな反応をするのか様子を見てください。
ここで「ハッ!」っと気付く子供もいますし、まったく意味がわからなくなってしまう子供もいます。
これで気付かない場合は、1円玉がくっついて「1つになること」と説明してみてください。
ここで同時に教えるのが「厚み」です。
1円玉が2個くっついたら、背が高くなるから2円になる。
つまり視的感覚からも「+」の理屈を発見させるというわけです。
これは少し難しいかもしれませんが、子供によってはこれで気付きます。
すぐに気づかなくても、地道に取り組んでみてください。
いくら数字で書いて教えたところで、まったく理解しません。
実際に1円玉などを使って、視覚から理解させることが重要です。
ただし逆にやってはいけないのが、足した後が違う形になっていることです。
つまり1円玉を2枚重ねたら、厚さも2倍になっていないといけません。
もし紙で1円玉を作るのであれば、ダンボールなどで厚みを持たせてください。
それと「2円硬貨」という足した後の姿、これは作らない方がいいです。
あくまでも1円が2つで厚さも2倍になる=2円、という説明がいいです。
引き算であれば「厚さが減っていくこと」で理屈がわかるようになります。
いずれにしても初めは視覚を使って理解させること。
私の経験からは、こんな教え方が中学生の学習塾選び方に匹敵するほど重要だと感じています。
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