デモクラティック(サドベリー)スクールは発達障害の子供にどうなの?
ということで、いったいどんな教育施設なのか?について詳しくお伝えしていこうと思います。
デモクラティックスクールをご存知ない方にも理解していただければと思います。
ぜひ中学生の学習塾選び方の一環としてお考えになってみてください。
この記事の概要
デモクラティック(サドベリー)スクールとは?
デモクラティック(サドベリー)スクールとは、1968年に設立されたサドベリー・バレー・スクールが原点となっており、本当の意味での「民主主義の学校」です。
海外で生まれたスクールなのですが、その理念に共感を得て、現在では日本のみならず世界の各地に存在しています。
1960年代、アメリカでは学校内での秩序の崩壊が深刻で、校内暴力が蔓延して大きな問題となっていたんですね。
その問題の裏には、当時の学校が生徒を尊重しないことが原因。
強制的に行動させて服従させたり、やみくもに競争させるなどしていた制度があったんです。
デモクラティック(サドベリー)スクールとは、そうした愚かな学校の教育から脱して市民が教育の主導権を取り戻す流れから生まれもの。
それゆえ、デモクラティックスクールには時間割や授業など、時間的に制限されることはありません。
また、年齢によってクラス分けされることもない。
更に、テスト等で生徒同士を競走させることもなく、生徒の支配者となる可能性のある教師も存在しません。
同じような思いから設立された公立の学校もありました。
しかしそれは名ばかりで、実態は政府が労働者を育成する目的で作られたものだったんです。
民間が経営し、市民の人々が市民のために‥
と生まれたのが「デモクラティック(サドベリー)スクール」というわけです。
デモクラティックスクールは不登校の子供が通うところ?
デモクラティック(サドベリー)スクールは「一般的に不登校の子供たちが通う所だ」というイメージを持たれることがあります。
しかし、そんなことはありません。
子どもたちには不登校であろうがなかろうが、自分に合ったタイプの学校を選択する権利を持っているからなんです。
デモクラティック(サドベリー)スクールは、教育の多様性や豊かさを重んじるところ。
子供たちが1人1人それぞれに合う学びの場を提供して、個々に育つ環境のために立ち上げられました。
大人によって強制されたり服従させられたり競わされるのではなく、子どもが自分から学びたいと思うことを学び、やってみたいと思うことを探して見つける経験を通して自分らしさを作るところ。
これらのことから、デモクラティックスクールに通う子供たちは不登校であろうがなかろうが関係なし。
- デモクラティックスクールに通いたいと本人が希望している
- 保護者がデモクラティックスクールの教育を理解して賛成している
- スクールのルールを守って自分の行動に責任がもてる
といった条件をクリアしていれば通学できるようになっています。
また、この他に体験入学をしてみてスクールのメンバーから承認を得ることや、自分のことは自分でできることを前提とするデモクラティックスクールもあります。
デモクラティックスクールのメリットは?
デモクラティック(サドベリー)スクールの大きなメリットは、学校のルールを生徒が自分自身で決められることです。
そして、生徒は決めたルールに基づき、その中で自由に生活をすることが可能。
決められた教科書での学びを強制されることはありません。
この自発性を育むシステムは、デモクラティック(サドベリー)スクールに通う大きなメリットです。
また、普通の学校では当たり前の「クラス」という単位が存在しません。
さらに年齢によって分けられる、といった考え方もない。
何かを決めるときはその都度スタッフや生徒がみんなでミーティングを設け、そこで話し合いがもたれます。
このことは、年齢や役割の違いに臆することなく「自分の意見を述べられる人格」を形成するための貴重な経験となるんですね。
これもデモクラティックスクールに通うメリットと言えます。
実際にデモクラティックスクールを卒業した生徒のうち、実に8割もの生徒が大学へ進学し社会的な成功を収めています。
更に、人生に対する満足度が高くなるという特徴もあります。
これらのメリットから日本でも、デモクラティックスクールを取り入れる学校は増える傾向にあります。
デモクラティックスクールの性質やメリットを正しく理解すると、いかに効果のある教育を行っているかが分かりますね。
デモクラティックスクールは発達障害の中学生におすすめ?
このようなことから、デモクラティック(サドベリー)スクールは誰にでもおすすめ。
健常児でも発達障害のある中学生でも「満足した人生」を歩むための手段、ということができます。
ただし学費が高めになることが多いので、そこは知っておかれてください。
発達障害があると普通学級では生活しずらい、ということがあります。
しかし特別支援学級を希望しても、なかなか沿わないことが多いのも現実なんですね。
私も発達障害コミュニケーション指導者という資格を保持していますが、そこで勉強した中でも「さまざまな理由によって支援学級に入れることができない」と教わりました。
その理由はあまりにも複雑すぎるので、ここではあえて伏せておきます。
そんな現実がある中で、デモクラティック(サドベリー)スクールは1つの考え方になると思います。
もし通うことになれば、あとは「どうやって通わせるか?」が問題ですね。
1人で通うことができればいいですが、なかなか発達障害の度合いによっては難しい‥。
結論からいえば、発達障害の子供にデモクラティックスクールという考え方は間違っていません。
子供が少しでも楽しい人生を歩むためにも、ムリして学習塾などに通わせるより、これも良い選択かもしれませんね。
【おすすめの本】
自分を生きる学校―いま芽吹く日本のデモクラティック・スクール

ぜひ、こちらも参考にしてみてください。
https://gakusyujyuku.com/archives/22076