先日、発達障害のある中学生の勉強方法についてご相談を受けました。
私もNPO法人で発達障害の子供たちに関わっているため、できる限りのアドバイスをさせていただきましたのでその時の様子をお伝えしようと思います。
発達障害の中学生における勉強方法についてアドバイスがあれば‥
このときのご相談の内容は以下のようになります。
この春、うちの子供が中学生になりました。小学生のときに発達障害の傾向があると病院で診断されましたが、とくに療育などの必要はないと言われたので私も深く考えることはありませんでした。
しかし親としては発達障害っていうよりも個性なんじゃない?と考えてみたりしていましたが、目の前の子供の行動などを見ていると「年相応ではないかな‥」と思ってしまいます。
小学生のころは私も宿題などにしっかりと付き合ってきたためか、担任の先生からは成績はいいと言われていましたので何も問題はないと思っていたんです。実テなども実際に点数を取っていましたし。
友人関係も問題なく、クラブに入って運動も楽しくやっていましたし、頭も普通かなっていう感じだったので普通の子供とかわらないと思っていたんです。
そんな子供でしたが、中学生になると急に勉強を嫌がるようになりました。
もともと面倒くさがる感じはあったのですが、最近になってからはさらにひどくなって字を書くのが面倒みたいで漢字や作文などはかなり苦手のようで中学生とは思えない汚い字です。
家での勉強などを見ていても、放っておくと30分くらいボーッとしていることもあります。
小学生のときは得意に見えていた数学も、計算がめんどくさいみたいで宿題なども投げ出す始末。
中学生になったので親としてはあまり口を出さず本人のやる気に任せようと思っていたのですが、このままの状態では間違いなく成績は落ちると思います。
私もまさかこんな状態になるとは思ってもいなかったので、子供に対してどう接していけばいいのかわからなくなっています。
もしこれまでのように勉強をしてくれるのなら、塾に通わせるなどを考えています。
小学生のときは勉強だけではなく、運動や交友関係もうまくできていたようです。
それが中学生になってから、急に発達障害による症状が現れてきた‥。
私は自分の考えだけでは足りないので、国の動きなども併せて以下の視点からアドバイスをさせていただきました。
発達障害の子供が中学生になると急に勉強しなくなるのは‥
発達障害の中学生には、勉強方法をどう考えればいいのか?
私は文部科学省のホームページからヒントを探ってみて、こんな文章があるのでお伝えします。
LDの場合は、表れる困難は一人一人異なりますので、それに対応した指導を行います。ADHDの場合は、少集団の中で順番を待ったり最後まで話を聞いたりする指導や、余分な刺激を抑制した状況で課題に集中して取り組むことを繰り返す指導などを行います。
なお、LD、ADHDに共通するのは、失敗や叱責を受けるなどの経験が多いために、自分の能力を発揮できず、あらゆる面で意欲を失っている点です。そのため、自力でやり遂げた経験を積み、自信を取り戻していくことが大切です。
参考:文部科学省HP「特別支援教育について」
この文部科学省の抜粋からは、こんなことがポイントとして見えてきます。
LD、ADHDに共通することとして‥
失敗や叱責を受けるなどの経験が多い。
その経験によって自分の能力を発揮できず、あらゆる面で意欲を失っている。
この2点が大事なんじゃないかと思うんですね。
ご相談を受けた子供さんも、もしかするとそんな経験をしていたかもしれません。
健常児でもそんな経験があれば勉強などもうまくいかないのに、とくに発達障害があることでよりその傾向が強くなるようです。
ただしこれは全ての子供に起こっているわけではなく、勉強できなくなってしまう原因の多くがこういった理由だっていうことです。
なのでイチガイには言えませんが、まずこの部分を疑ってみると何か見えてくるかもしれません。
そして、もしこの理由が原因になっているとすれば‥
自力でやり遂げた経験を積み、自信を取り戻していくことが大切
と文部科学省は言っていますので、自分の力で「やり遂げる」ことを経験させる必要があります。
ここでは勉強に対して自信を失っている状態なので、いかに自分の力で勉強するかです。
そのためには、まず親の考え方をしっかりと身につけておく必要があると思います。
発達障害の中学生は勉強できない?
親の考え方を身につけるために、どんなことに一番注意すべきなのかお伝えします。
まず発達障害の中学生に対して‥「勉強ができない!」と思ってはいけないということです。
発達障害があるので、健常児のように勉強ができなくて当然‥
などというように親のほうが思ってしまうと、子供も前に進むことができなくなってしまいます。
悪い言いかたをすると、親の諦めですね。
これは絶対に避けるように、しっかりと自分を失わないようにしてください。
子供の味方をしてくれるのは世間にはたくさんいらっしゃいますが、まずは親だということです。
発達障害の子供は、勉強ができないのではなくてどうしたらいいのかわからない状態です。
親のサポートによって、いかに子供を勉強に向かせるか?
私もNPOを通じて、これがいちばん大切になってくるポイントだとつくずく実感しています。
発達障害の中学生は勉強が嫌い?
これもよく言われることなのですが‥
発達障害の子供が中学生になって急に勉強しなくなるのは、決して勉強が嫌いになったからではありません。
先ほどの文科省の言葉のように、もしかすると自信を失っているのかもしれません。
または中学生になって、勉強が複雑になったことでつまずいているからかもしれません。
じゃあどうしたらいいのか‥?
・・・・・
・・・
- もし子供が自信を失っているのなら‥自信を取り戻せるようにしてあげればいい。
- もし子供がつまずいているのなら‥つまずきを取ってあげればいい。
親がするべきことは、子供に起きている問題を解決するためのサポートです。
発達障害の中学生が勉強をやる気になるために大事なことは‥?
発達障害の中学生にとって、いちばん適した勉強方法とはいったい何か?
これを考えることが親の役目でもあり、子供のやる気を引き出すいちばんの方法になります。
じゃあ、どんな勉強方法が適しているの‥?
・・・・・
・・・
発達障害の子供が自信を取り戻すためには‥
自分からでも取り組みたくなるような、まず楽しさで興味をひく勉強方法
これを考えるのが親の役目だと思います。
言ってみれば、勉強がつまらないと感じることなく「楽しい!」と思えるような方法です。
もし勉強がつまらなく感じてしまえば、どんどん子供は勉強から離れていってしまいます。
まずは勉強が楽しい!と感じるような方法を考えてみる。
そのためには学習塾?通信教育?‥いろいろありますが、もういちど文部科学省の力を借りてみます。
発達障害の中学生に文科省もすすめている勉強方法とは‥
➝eラーニング教材「すらら」を体験!独特の映像授業が驚くほど頭に入る!
じつは文部科学省では、最近の法改正になってから発達障害を持つ子供に対して‥
タブレットなどを使った「デジタル教科書」を導入しよう、と言う動きがあります。
この動きというのは、
最近になってよく耳にするEラーニングシステムというもので、相互教育ができるといった大量の情報がやり取りできる教育システムです。
先日、今後の学校授業は‥というニュースでも、このEラーニングシステムを使ったデジタル教科書が導入されていくことが伝えられていました。
発達障害の中学生に何がいいの‥?という点ですが、
このシステムでは教科書だけではなく、映像授業や個人の学習管理、苦手対策など学校の役目をすべて代わりに行ってくれます。なので発達障害や学習障害などで対人関係が苦手、という子供も集中して勉強できるというメリットがあります。
さらにアニメーション授業などで楽しさを感じるようになっていますので、まず勉強に目を向けさせる初めの一歩を与えるキッカケにも役立ちます。
そのほかにも理由はありますが、文部科学省が発達障害などの子供にすすめる勉強方法としてこのような理由からデジタル教科書を導入する動きになっています。
私もEラーニングシステムを使った勉強方法は、発達障害の症状に対して理に叶っているのでご相談の方にもおすすめしました。
学習塾に通うよりも、Eラーニングシステムの教材のほうが勉強になるはずだからです。
いずれ、このデジタル教科書が学校にも導入されていきます。そうなってくると、障害による能力の差もかなり縮まると言われています。
私は発達障害の中学生を正しい方向にサポートするのなら、こういったEラーニングシステムのような根拠のしっかりとした教材を与えてあげるのはいい方法かなと思います。
ぜひ、こちらも参考にしてみてください。
https://gakusyujyuku.com/archives/22076